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タイトルの和訳はこれで良いのだろうか…。
Sininger, Y. S., & Bhatara, A. (2012). Laterality of Basic Auditory Perception, Laterality, 17(2), pp/129-149. の話。Lateralityという雑誌があるんですね。

ヒトの発話は,左半球の聴覚野で優先的に(最初に? primarily) 処理されることは有名ですが(wikipedia:ウェルニッケ野とか),音楽とかトーンの処理は右半球でされているという話もちょいちょいあるよ,ということから考えると,言語的属性なるものが処理の側性化を指示しているのではなくて,刺激の時間的/空間的音響属性が本質的(な影響を与える)のではないか,という話ですね。

成人・健聴・右利きの参加者に対して,周波数弁別課題,強度弁別課題,時間的なギャップ探索閾値 (GDTs) を行っています。3-AFCTと呼ぶらしいですけど,ようするに3個の音を聞かせて,この中で違うのはどれだ,という強制選択をさせるようですね。2回正解すると1.5倍パラメータが下がり,続いて2回1.1倍の反転が生じ,1回間違うとパラメータが上昇するとのことです。最小のサイズでは6界の反転が起こるようにできているようです。多分,音と音との弁別閾値が下がって行くけれども,単に下がるだけじゃなくて,ちょっと簡単になるゾーンが2回分あるよ,ということですね…。基本的には500, 1000, 及び4000 Hz音とホワイトノイズを使用し,durationは200, 500, 1000 msのいずれかが選択されるようです。

GDTに関しては,左耳の方が若干短い(0.455 ms)けれども,音刺激毎にみると,有意なのは4000 ms,及びノイズで有意傾向だっただけで,あとは特に有意差がないようです。周波数弁別閾値に関しては,左耳有意(閾値が低い = 感度が高い)の傾向がありますが,有意なのは1000 Hz条件だけのようです。durationの効果もあるようで,500 msがなぜか若干閾値があがるようですが,左右の関係性には差が見られません(ずっと左耳有意)。強度閾値に関しても左耳の方が低い傾向がありますが,特に1000 Hz条件で有意であり,他の周波数はまあさして変わらない,という感じのようですね。性差はほぼ関係ないようですが,ノイズとトーンに関わる左右差スコアの在り方がなんか違うみたいです(Figure 5.)

そんなこんなで,1000 Hzだと弁別成績が良くなるという事と,このあたりは全般的に左耳 (≒右半球?)有意であるということが分かったわけですが,素早い時間変化が左半球有意,つまり右耳有意 (right ear advantage, REA)で,周波数変化は右半球有意 (LEA) だという話があったのに,全部左耳有意だったのはなぜだろうか,というのは難しいところのようで,GDTにおいてREAが見られなかったのははっきりしないけど…という感じですね。REAが見られている先行研究との違いとして,logarithmic (対数的) な持続時間変化を用いていることはあるけど,この効果は両耳に同様の効果をもたらすはずですよね… ううん。

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