おかげさまでspamコメントが増えてきましたので、一応コメントを承認制にしました。基本的には承認します。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 Kirk R. Daffner, M.Marsel Mesulam, Leonard F. M. Scinto, Vivian Calvo, Robert Faust, and Phillip J. Holcomb (2000). An electrophysiological index of stimulus unfamiliarity. Psychophysiology, 37, 737-747.の話。全然どうでもいいんですが,ちょっと不思議な話で,このタイトルでググると,indices ofをサジェストされるんですが,これは渡辺だけですかね.試してみて下さい. さて,かなり流し読みなので,間違いがあったら後日修正しますけど,参考程度にして下さい。何をやっているかというと,高頻度刺激(p = .70)中に,標的刺激(p = .15)と新奇刺激(p = .15;ここではdeviantと呼ばれていますが)が出るので,標的刺激が出たら足踏みボタンを押してね,という時のEEGを取っている,多分良くあるP3課題なんですが,
そうすると,正中線上において,200-325msから導出したN2振幅は,unusual条件において,見慣れない新奇刺激>見慣れない標的刺激,見慣れない高頻度刺激であり,混在条件では見慣れない高頻度刺激>単純(見慣れた)新奇刺激,見慣れない標的刺激であった,ということです(潜時は,unusual条件で,高頻度<標的,新奇;混在で,高頻度,標的<新奇)。 一方でP3は,正中線上では刺激タイプと課題の相互作用がなく,基本的には振幅は標的>逸脱,高頻度となるが,混在条件でのみ,単純逸脱刺激が高頻度より大きい振幅があったということ,側方では刺激タイプ*課題*電極の交互作用があって,前頭では課題*電極の交互作用があり,ここでは混在刺激における高頻度刺激が全ての単純,あるいはunusual課題の振幅より小さいとか,頭頂付近ではP3の反応が変わらないとか,新奇刺激においてP3は単純課題にくらべてunusualとmixで小さいとか,そういう結果が出ています。 N2は,(課題中においては)高頻度の刺激であっても,「見慣れない」ということが影響して新奇刺激よりも振幅が大きく出ること,一方でP3は,(少なくとも正中線上では)とにかく標的刺激であれば大きく出ることが面白いところで,"deviance from long-term experience (unfamiliar/unrecognizable stimuli) was found to have a strong impact on visual N2 amplitude"ということですね。 ただ,短期的な文脈(実験によって与えられた文脈)の効果もN2には影響する,ということも,unusualにおいて見慣れない新奇刺激によりN2振幅は,見慣れているN2振幅よりも大きいことから言えるということが挙げられています.あとは,刺激の頻度はN2振幅にはあまり影響しなそうなこと(単純条件で,高頻度と低頻度にあまり差がなかった),およびN2振幅はターゲットの影響を受けないこと(単純条件とunusual条件で,標的刺激と高頻度刺激に差がなったので)が言える,とあります. あとはちょこちょこ色々あるのですが,200-325msという時間帯は,N2a, N2b, N2cといったN2 familyの伝統的なメンバの典型的な要素ではないということが挙げられていて,確かに言われてみると,潜時は結構遅めで,これはN400とかに近い成分なのかもしれません.それで,"picture N300"という成分があるそうで,物体判断及び関連度判定プライミング課題(object decision and relatedness judgment priming task)で見られるそうなんですが,これはたとえば標的の絵(写真?)の前にプライム画像が出て,その標的が実在する「もの(object)」かどうかを判断しなくてはならないときとか,標的がプライムと関係するかを判断しなければならないときに出現するようです.それで,このpicture N300は,標的がものでない もののときや,正体不明(unidentifiable)のもののとき,および文脈と関係しないときに現れるそうで,ああ,これと同じものなのかな,という気はしますね.これは言語素材のような,写真でないものには出ない,ということのようです. まあ,もともとは新奇刺激についてはN2とP3が出るけど,この違いはなんぞや,ということを,長期的に形成されている(はずの)文脈からの逸脱を用いて検討しましょう,という話で,潜時には多少難があるというか,ほんとにN2…?という気がしないではないものの,面白かったです.ただ,今期待していた(探していた)ものとちょっと話の筋は違って,でも将来的に利用するかもしれなくて,というわけでblogにアップしたのでした.終わり! PR |
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